地震・台風・豪雨など、災害のニュースを見るたびに「うちも備えなきゃ…」と思う方は多いのではないでしょうか。中でも最近注目を集めているのが「ポータブル電源」。でも実際のところ、高価なうえに大きくて重そう…本当に必要なの?と迷ってしまいますよね。
本記事では、そんな疑問を持つ方のために、防災用としてポータブル電源は必要か?というテーマを深掘りします。災害時の活用事例、選び方、後悔しないための判断ポイントなど、実際の体験談や人気製品の情報を交えてわかりやすくご紹介。
「買うかどうかでずっと迷ってる」「一家に一台あった方がいいの?」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポータブル電源とは?モバイルバッテリーとの違い

ポータブル電源の基本機能とできること
ポータブル電源とは、コンセント付きの持ち運べる蓄電池のことです。大容量のリチウムイオンバッテリーを内蔵し、スマートフォンだけでなくノートPC、テレビ、電気毛布、冷蔵庫などの家電製品にも電力を供給できます。停電時やキャンプ、車中泊など、屋外や電源がない場所で電力を確保する際に活躍します。
家庭用コンセントと同じAC出力が可能で、USBポート、シガーソケット、ソーラーパネル充電対応など多彩な出力・入力ポートを備えているのが特徴です。
モバイルバッテリーとの違いを表で比較
モバイルバッテリーとポータブル電源は見た目が似ていても、その性能と用途は大きく異なります。
項目 | モバイルバッテリー | ポータブル電源 |
---|---|---|
主な用途 | スマホやタブレットの充電 | 家電製品の電力供給も可能 |
出力ポート | USBのみ | AC(コンセント)/ USB / DCなど |
容量の目安 | 5,000〜20,000mAh | 250Wh〜2000Wh以上 |
電力で動かせるもの | スマホ・LEDライト程度 | 冷蔵庫・テレビ・炊飯器など |
重量 | 200g〜500g前後 | 3kg〜25kg前後 |
価格帯 | 数千円 | 3万円〜30万円以上 |
このように、モバイルバッテリーはあくまでスマホ充電などの“日常使い”が中心ですが、ポータブル電源は“災害時やアウトドアなど非常時の電力確保”に向いている備えの電源です。
災害時にポータブル電源は必要?結論と前提条件
停電時に困るものランキング
災害による停電が発生すると、多くの家庭では次のような「電気の使えない不便さ」に直面します。実際に被災した人の声や報告から、多くの家庭で以下の点が「困った」と感じられています。
- スマートフォンの充電ができない(連絡・情報収集不可)
- 冷蔵庫が止まる(食材が腐る)
- 暖房器具や電気毛布が使えない(冬場の寒さ対策)
- 照明がない(夜間の行動やトイレなど)
- テレビやラジオが使えず情報収集ができない
このような非常時に、ポータブル電源があれば最低限の生活インフラを維持することが可能になります。
必要性は「家族構成」と「生活スタイル」で変わる
結論から言えば、ポータブル電源はすべての家庭に必須ではないものの、子どもや高齢者がいる家庭には非常に有効な備えです。
たとえば以下のような条件に当てはまる場合、災害時の安心感を大きく高めてくれます。
- 乳幼児や小さな子どもがいる(照明・ミルク作り・暖房など)
- 在宅介護をしている(医療機器の電源確保が必要)
- マンション住まいで非常用発電機が設置されていない
- 避難所ではなく自宅避難を想定している
- 通信や情報収集を絶やしたくない
一方、一人暮らしで最低限の備えで十分という方にとっては、数万円以上するポータブル電源は過剰な備えとなる可能性もあります。
したがって、自分にとっての「停電時に困ること」から逆算して検討することが、ポータブル電源の必要性を判断する重要なポイントです。
実際に「役立った」「いらなかった」体験談まとめ
ポジティブな口コミ事例(停電時、子育て家庭など)
実際にポータブル電源を使った人の多くは、「備えていて良かった」と感じています。以下は、実際のレビューやSNSの投稿をもとにした一例です。
- 「台風で丸1日停電した時、スマホ・ランタン・小型扇風機が使えて家族全員が助かりました。」
- 「電気毛布が使えたことで、寒い夜でも子どもが安心して眠れました。」
- 「Jackeryの600Whモデルを持っていたおかげで、冷蔵庫の食材を無駄にせず済みました。」
- 「EcoFlowのDELTA 2は急速充電できるので、停電前に慌てて準備しても十分間に合いました。」
特に子育て家庭や高齢者がいる世帯では、照明や暖房の確保ができる安心感から高く評価されています。また、モバイルバッテリーでは対応できない家電にも使える点が大きなポイントです。
ネガティブな口コミ事例(価格、使用頻度など)
一方で、「思ったより使わなかった」「コスパが悪いかも」と感じた声も少なくありません。以下にいくつかの事例をご紹介します。
- 「3年保管していたけど一度も出番がなく、バッテリー劣化していて使えなかった…」
- 「重くて女性ひとりでは運ぶのが大変。結果、避難所に持っていけず自宅に放置。」
- 「モバイルバッテリーとソーラーランタンでもなんとかなったから、買わなくても良かったかも。」
- 「高額なので、使わないままだとちょっともったいない気もする。」
このように、使用頻度が少ないことによる後悔や、保管方法・重さなどの取り扱いに関する不満も一部見られます。
そのため、実際に「どんな災害リスクがあるか」「どんな備え方をするか」を明確にしたうえで、自分に合ったモデルを選ぶことが大切です。
防災用途に必要な容量と出力の目安は?

スマホ・冷蔵庫・電気毛布に必要なWhを具体例で紹介
ポータブル電源の容量は「Wh(ワットアワー)」で表され、どれくらいの時間、どんな機器を動かせるかの目安になります。以下に、防災でよく使われる機器の1日の消費電力の目安を示します。
使用機器 | 1日あたりの消費目安 | 必要な電源容量(参考) |
---|---|---|
スマートフォン(2台) | 10W × 2回充電 = 20Wh | 50〜100Wh |
LEDライト(5W × 6時間) | 約30Wh | 50〜100Wh |
電気毛布(強モード100W × 3時間) | 約300Wh | 500Wh〜 |
ポータブル冷蔵庫 | 50W × 12時間 = 600Wh | 700Wh〜 |
ノートPC(60W × 3時間) | 約180Wh | 300Wh〜 |
このように、スマホやライト程度なら200Wh程度でも対応可能ですが、家電を使うとなると500〜1000Wh以上の容量が求められます。
家族用には1000Wh以上が安心な理由
1人暮らしなら300〜500Whでも最低限の備えになりますが、家族3〜4人での自宅避難を想定するなら1000Wh以上のモデルが現実的です。
たとえば「Jackery 1000 Plus(1264Wh)」や「EcoFlow DELTA 2(1024Wh)」などは、防災用としてバランスが良く人気のあるモデルです。これらの容量なら、1〜2日の停電に対して複数機器を同時に使用しても十分に対応可能です。
また、AC出力(定格出力)も重要です。冷蔵庫や炊飯器などを使うなら1000W以上が安心です。スマホやライトだけなら300〜500Wでも十分です。
「何を動かしたいか」から逆算して、容量と出力を選ぶのが失敗しないコツです。
ポータブル電源のメリット・デメリット【防災視点】
メリット:電力確保・安心感・ソーラー対応など
災害時にポータブル電源があると、停電中でも家庭内の家電や通信機器が使えるという点が最大のメリットです。以下に、防災用途における具体的な利点をまとめます。
- 停電時もスマホ・冷蔵庫・ライト・医療機器が使える
- 家族や高齢者のいる家庭でも安心して自宅避難が可能
- ソーラーパネルと組み合わせれば電力の自給自足も可能
- ガソリン不要で静音・安全に使える(発電機との違い)
- 災害だけでなくアウトドアやキャンプ、防音対策、節電にも活用可能
特にEcoFlowやJackeryの製品には、急速充電・多ポート対応・リン酸鉄リチウムバッテリーなどの機能も充実しており、使いやすさも年々進化しています。
デメリット:価格・重さ・保管スペース
一方で、ポータブル電源にもいくつか注意点やデメリットがあります。購入前に以下の点をしっかり理解しておきましょう。
- 価格が高い(中容量でも5万〜10万円、大容量は20万円以上)
- 重さがある(500Whクラスでも5〜8kg、大型は20kg超)
- 定期的な充電・メンテナンスが必要(半年〜1年に1度の満充電が推奨)
- 気温や保管環境に左右されやすい(特に寒冷地では要注意)
- 容量が大きいと保管スペースも必要
また、「一度も使わずにバッテリーが劣化してしまった」というケースもあるため、使用頻度の少なさがもったいなく感じる人もいます。
このように、ポータブル電源は非常時の安心感と引き換えに、費用と管理の手間がかかる防災グッズとも言えます。購入前に、家庭の防災計画と照らし合わせてじっくり検討しましょう。
防災向けおすすめモデル3選【Jackery・EcoFlow・Anker】
初めてでも安心!Jackery 600 Plusの魅力
Jackeryは防災用ポータブル電源のパイオニアとして知られる人気ブランドです。中でも「Jackery ポータブル電源 600 Plus」は、防災初心者にもおすすめの中容量モデルです。
- 容量:632Wh
- 定格出力:800W(ピーク1600W)
- 重さ:約7.3kgと軽量
- リン酸鉄リチウム採用で長寿命(約4000回)
- 約1時間でフル充電できる高速充電に対応
スマホや電気毛布、LEDライト、小型冷蔵庫など防災で必要な家電を一通りカバーできるバランス型で、非常用として「1台目に最適」と言えます。

急速充電と大容量が魅力のEcoFlow DELTA 2
EcoFlowの「DELTA 2」は、防災にもアウトドアにも対応できるハイスペックモデル。特に業界最速クラスの急速充電と多出力ポートが魅力です。
- 容量:1024Wh(拡張バッテリーで3048Wh可)
- 定格出力:1500W(ピーク1900W)
- 重量:約12kg
- わずか約70分で満充電(X-Stream技術)
- 5年保証&リン酸鉄リチウム電池
冷蔵庫・電子レンジ・テレビなど複数家電を同時に使いたい家庭におすすめで、防災協会の推奨品にも認定されるなど信頼性も高い製品です。

軽量で使いやすいAnker 521/Solixシリーズ
「価格を抑えたいけど安心できるメーカーがいい」そんな方にはAnkerのエントリーモデル「Anker 521 Portable Power Station(256Wh)」や中容量の「Solix C1000(約1229Wh)」がおすすめです。
▼Anker 521
- 容量:256Wh
- 出力:最大200W(AC/USB)
- 重さ:約3.7kgと超軽量
- 価格:3万円前後
スマホ・ランタン・ラジオなどの最小限の電力確保に適したモデルで、自宅避難に限らず「避難所に持ち込める軽さ」が魅力です。

▼Anker Solix C1000
- 容量:約1229Wh
- 出力:1500W
- UPS機能(無停電装置)搭載
- ソーラーパネル対応&キャスター付き
中〜大容量ながら価格も比較的抑えめで、非常用電源としてコスパが非常に高いモデルです。

ポータブル電源に関するよくある質問(FAQ)
どれくらいの残量で保管すべき?
ポータブル電源は40〜60%程度の残量で保管するのが一般的に推奨されています。満充電や空の状態で長期間放置すると、バッテリーの劣化を早める原因になります。
製品によっては「半年〜1年ごとに満充電にしてから再度保管する」といったメンテナンスが必要なので、購入後は必ず取扱説明書や公式サイトの指示を確認しましょう。
ソーラーパネルはセットで買うべき?
災害時の長期停電に備えるなら、ソーラーパネルの併用は非常に有効です。日中に発電して充電し、夜に使用するという自給自足が可能になります。
たとえばEcoFlowの「220W両面受光パネル」やJackeryの「SolarSaga」シリーズなどは、折りたたみ・防水・高変換効率で防災に向いています。ただし価格は2〜10万円程度と高めなので、まずは本体だけ購入して後から追加でもOKです。
子どもがいる家庭に向くスペックとは?
乳幼児や小学生がいる家庭では、以下のような使い方を想定して選ぶと安心です。
- スマホ2台・LEDライト・電気毛布(小)を1晩使用できる
- 容量:500〜1000Wh程度
- 出力:500〜1000W程度
- 重量10kg未満で移動しやすい
この条件に合う代表モデルは「Jackery 600 Plus」や「EcoFlow RIVER 2 Pro」「Anker Solix C1000」などです。UPS機能が付いていれば突然の停電時にも自動で給電を継続でき、子育て家庭に特に向いています。
よくある質問(FAQ)
- Q1. ポータブル電源は防災に必要ですか?
- Q2. 容量はどれくらいあれば安心ですか?
- Q3. ソーラーパネルは一緒に買った方がいいですか?
- Q4. 保管時のバッテリー管理はどうすればいい?
- Q5. 子どもがいる家庭に向いているモデルは?
Q1. ポータブル電源は防災に必要ですか?
停電時にスマホ・照明・家電が使えるため、自宅避難を想定している家庭には非常に有効です。特に子どもや高齢者がいる場合は安心感が大きく、必要性が高いといえます。
Q2. 容量はどれくらいあれば安心ですか?
一人暮らしなら300〜500Whでも対応できますが、家族で1〜2日をしのぐには1000Wh前後が目安です。冷蔵庫や電気毛布を使いたい場合は要チェックです。
Q3. ソーラーパネルは一緒に買った方がいいですか?
長期停電や避難所に頼らず自宅で電源を確保したい場合は、ソーラーパネルがあると安心です。まずは本体だけ購入し、後から追加するのもおすすめです。
Q4. 保管時のバッテリー管理はどうすればいい?
40〜60%の残量で保管し、半年〜1年に一度は満充電してから再保管しましょう。満充電・空状態の長期放置は劣化の原因になります。
Q5. 子どもがいる家庭に向いているモデルは?
500〜1000Whの容量で、10kg以下・UPS対応のモデルがおすすめです。代表例は「Jackery 600 Plus」「EcoFlow RIVER 2 Pro」「Anker Solix C1000」などがあります。
ポータブル電源は防災時に必要か?
ポータブル電源は、災害時の停電対策として非常に心強いアイテムです。スマホや照明だけでなく、冷蔵庫や暖房器具も使えるため、子どもや高齢者のいる家庭では特に安心感が得られます。
ただし、価格やサイズ、使用頻度の少なさといった懸念があるのも事実。だからこそ、自分の生活スタイルに本当に必要かどうかを見極めたうえで、容量や機能を選ぶことが大切です。
この記事で紹介した活用事例やおすすめモデルを参考に、ご家庭に必要な防災電源についてぜひ検討してみてください。備えあれば憂いなし。いざという時に「買っておいてよかった」と思える一台に出会えますように。
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